本編視聴中は、ベルさんがスレッタにとっての
「(まともな意味での)母親的存在」になってくれることを願っていたのですが、
一方で、ミオリネさんにもいずれそういう「大人の女性」がついてくれるのでは、
と期待していた時期がありました。
そしてその役を担うのは、もしかしてフェンさんかな、とも思っていました。
ミオリネさんは、スレッタとはまた違ったかたちで、
幼い頃に亡くした母・ノートレットを、ある意味、盲信しているような部分もあったし、
本編内の描写では「愛情深い母親」といった側面を強調して終わってしまったけれど、
ここらへん、私はラストまでにひっくり返されるんじゃないかと
ドキドキしていたのですよね。
具体的には、
「クワゼロ本部に到着したら、死んだはずのノートレットが登場!」とか、
「ラスボスが『憧れの母』×2の二重母娘対決!
(スレッタvsプロスペラ、ミオリネvsノートレット)」、
なーんて、ありうる展開だと思っていたのですが、私だけですかね?
ノートレットは、トマトの遺伝子情報に個人的なメッセージを忍ばせたり、
クワゼロの草案者だったり、視聴者目線ではけっこうヤバいキャラに思えるのに、
肝心なところが明かされないままキレイなイメージだけ印象付けて、
物足りなさとかバランスの悪さとか、そういう印象を持っています。
(キャラに対して、というよりは、作品とか制作陣に対して、という意味で)
スレッタが母親(&エアリアル=エリクト)に突き放されてショックを受けたように、
いつかミオリネさんも、これまで父に反発するごとに縋り付いてきたであろう
「思い出の中の母」のイメージを、粉々に打ち砕かれる日が来るのかなぁ、
そういう中で、女の子2人が寄り添って支え合う仲になるのかなぁ、
とか、思っていたのですが、そうはならなかったですね……あららら……。
というか、デリング&ノートレットとプロスペラが接触したり
共同でクワゼロを計画・遂行するに至った経緯は、
本編できちんと描くべきだったはずだよね、普通はね。
だって、「復讐者とそのターゲット」のはずだもんね、
プロローグを素直に見た者としては、さぁ。
どうして水魔女は、肝心なことほど曖昧に済ませるんだァァ!
ヴァァァァ!!(発作)
おっと、フェンさんの話の途中でしたね、そういえば。
彼女は、母性とか好意・厚意だけではなくて、
第2話だったか、「宇宙には新しいルールが必要よ」とも言っていたので、
ビジネスライクな、ギブアンドテイク的な関係で、
もっとミオリネさんと深く繋がっていくかと思っていました。
大人全般、というか自分以外の全てに対して警戒心の強いミオリネさんは、
むしろそれくらい、相手の目的がはっきりしている方が、
信頼してくれそうな気もするし、
そういうのもスレッタ(&ベルメリア)との対比になって、
おもしろそうだなぁ、と先走って楽しみに思っていたり、しました。
デリングは、ミオリネさんのこと、
もっとちゃんと、幼いうちから後継者として育てればよかったと思うのよ。
「守るために遠ざけた」という親心が発端だとしても、
過干渉かつネグレクト、みたいな環境に置かれていたら、
そりゃあ、ああいう子に育っちゃうよね、
と彼女に同情する気持ちも湧いてきちゃうなぁ。
「上に立つ者、権力と財力を有する者」として必要な教育を与えなかったのは、
メタ的に、これまでのガンダムヒロインと被ったりするのを避けたのかなぁ。
あと、確か、彼女のキャラ設定としては、
「現代的な、一般的な若い子の目線」「視聴者の代わり」
といった存在にしたかったとか何とか、どこかの記事で読んだ気がするので、
(ソースが曖昧なままでごめんなさい、いちいち確認する気力がなくて……)、
「何も知らない、わかっていない」とするために、ああいうふうにしたのかな。
でも、ヴァナディース事変と父の所業、
そしてクワゼロには母も関わっていたと知ってからは、
それこそ「現代的な、一般的な子」としては、普通はもう少し、
知ろうとするものではないのかなぁ。
「親の罪は子どもには無関係」という考えは、私も否定はしないけれど、
「だから、無関心でいてもいい」というわけではないと思うのです。
そこらへんを、宇宙議会連合所属という立場でもあるフェンさんから、
諭されるなり刺激を受けるなりして、改めていってくれたらよかったな。
そうして、自分の周りの「信頼できる大人」を1人でも増やしていければ、
ミオリネの言動も視聴者が受ける印象も、だいぶ違っていたんだろうに。
水魔女は、放映前から「シリーズ初の女性主人公」であることを売りにしていたし、
序盤まで視聴した段階では、
「ラスボスは主人公の母親?」「母娘対決?」と予想&期待していました。
主人公のパートナー役も女性ということで、
女性同士のいろいろな関係性を見せてくれるのかな、と思っていたけれど、
監督がこだわっていたのは「テンペストに則って(?)結婚する(?)」点だけで、
相互理解やそこへ至るまでの過程とかは、もともと描く気がなかったのかなぁ。
それとも、あれで必要十分だと判断されていたのか……。
まぁ、でも、そもそも制作サイドは、
「家族関係」「親子の問題」をテーマにしていたわけではないらしいので、
私がベルメリアさんやフェンさんに期待していた
「メインの女性キャラに対するサポート役」というのは、
まるっきり見当違いなものだったんだろうな。
でもさぁ、フェンさん主催の平和的な女子会(お茶会)、
見てみたかったですよねぇ! ねぇ!?
あー、何で死んじゃったんだよー、マツコぉぉ!(泣)
そうそう、フェンさんで思い出したけれど、
第16話で彼女がシン・セーの調査に乗り出した時、
「もしかして、ここから水星編始まるの? 里帰りイベントとか、ある?
あっ、ラストバトルは水星とか!?」
って、ひそかに前のめりに盛り上がっちゃんたんですよね、私。
水星の実態とか、シン・セーの詳細とか、
結局、最後までよくわからないままでしたよね。
このアニメ、「水星の魔女」ってタイトルだったのに、
水星のことも「魔女」の定義も、何だかよくわからないまま終わっちゃって、
すっきりしなくていやーん!