まえがき
お久しぶりの「水魔女再考」シリーズです。ガンダムアニメの新作(ジークアクス)もTV放送が始まって、
世間の目がそちらへ移行しつつあるので、
その隙にこそっと放出しますよ〜。
……と思っているのですが、最近やたらと、
水魔女に対する厳しい評価が目につくようになってきたような……?
自分が勝手にそう思っているだけ?
まぁ、人間誰しも、自分が思いたいようにしか物事を見られないから、
ある程度は仕方ない、仕方ない(言い訳)。
しかし、「批判に対する批判」も相変わらず根強くて、
そこまで必死に「他者の意見」を封じ込めようとする情熱って、
すごいなぁ、と思ってしまいます。
そんなもん、「あなたと私は違うのね」で終わる話じゃないですかね?
さて、前置きが無駄に長くなってしまいましたが、
今回のテーマは「株式会社ガンダム」について。
(まだあんまり触れていなかったよね?
もう、記事が多すぎて、自分で検索しても把握しきれなくなってきた)
実質的に、いつものようにミオリネさんへのダメ出しになってしまいましたが、
やっぱり彼女って、脚本の最大の犠牲者だと思うわぁ……。
設立
第7話にて、即興で株ガンを立ち上げるミオリネさんの姿は、素直にかっこいいなぁと思ったし、思いがけない展開にわくわくしました。
そして、そこからエアリアルやスレッタの謎に切り込んでいくのかな、
と期待も高まって、とても楽しみにしていました。
……が、最終的にはあんな感じになってしまって、
ものすごーく残念です。
生命倫理問題について引き受ける、と啖呵を切っておいて、
スレッタが無事なんだから、で済ませちゃったし、
エアリアルを「起爆剤となる MS」として出資を募ったのに、
医療器具(ガンド義肢)の会社として舵を切っちゃうし、
もう、めちゃくちゃだよぉ!
まぁ、そもそも、あのインキュベーションパーティー自体、
「ミオリネのドレス姿を見たかった」という動機で
考えられたエピソードらしいので(メインスタッフ談)、
その後についてはノープランだったのかもしれないですね。
でも、設立をきっかけにエアリアルの謎に迫るわけでもなく、
「誰が乗っても安全なガンダム」を作るわけでもなく、
自分の父親がなぜガンダムを禁じたのかについても追求せず、
ヴァナディース事変の生き証人(プロスペラ)に詰め寄られても
「復讐は親同士で勝手にやって!」で向き合わず、
もう、何だこれ? 何だったんだこれ??
「株ガンを設立したくせに、何も成せなかったどころか、
まともに向き合ってすらいなかった」
というのが、ミオリネさんに対する評価を
結果的に著しく下げてしまったと思うのですが、
そこらへん、制作サイドは途中で誰も気付かなかったのかなぁ。
とても不思議です。
グラスレーとの集団戦の時、
スレッタが明らかに「エアリアルの中にいる何か」と会話しているのに、
怪訝に思いつつ結局スルーして、あれは何だったの?
あの回のラスト、祝賀会の時にスレッタが1人で
謝りながらエアリアルのお手入れ(?)をしていて、
こっちは「ついに謎に迫っていくのか!?」とドキドキしていたのに、
ほんとうに、あれ、何だったんだ??
スレッタがキャリバーンに乗ったのは、確かに彼女の意志ですが、
正直、あんなふうに詰め寄られたら、あの子が断れるわけないと思うのよ。
実際、「死にたくない、って震えてた」んでしょ?
最初に宣言したとおり、社長がきっちり生命倫理問題に取り組んでいたら、
スレッタが障害を負うことにはならなかったんじゃないの?
……って、どうしても思ってしまうのです……。
義肢としての安全性
そもそもガンド義肢自体、ベルさんが応援してくれているとは言え、学生が学業と並行して開発できる代物なのかどうか、謎なんだよぁ。
医療器具ではあるけれど、
それを長年使い続けたプロスペラに副作用(?)が出ているのを見ると、
「そんな危険なものを、学生に作らせて&売らせていいのか?」
と心配になってしまいます。
エピローグでペトラちゃんがテスターになっているけれど、
それもすごく心配で……。
私、関連書籍をほとんど追いきれていないのですが、
ガンド医療やヴァナディース事変までの流れについて、
もしかして理解できていなかったらごめんなさい……。
あのへん、やっぱりちょっと、よくわからないのです。
物語の根幹でもあると思うのに、いろいろと曖昧なままですよね。
私の理解力の問題だけではないと思いたいのですが、どうかなぁ。
「パートナー」
ミオリネさんが地球に赴いた時、地球寮の、株ガンのみんなのことを
「私の大事なパートナー」と称していましたが、
私、これにもずーっと、うっすら違和感がありまして。
何でかなぁ、と思っていたけれど、最近ようやく理由がわかりました。
社長と社員が、同じ画面で肩を並べて「労働」している場面が、
本編中ではほとんどなかったから、です。
PV作成もロゴ作成も丸投げで、
お客様対応もリリッケちゃんだけで、
義足のテストの時も不在でしたよね?
例えば、同じ部屋とか同じ机で、
一緒に何かしていたこと、あったっけ?
株ガン社長としてTV出演はしていたのと、
デリングに業務報告(?)をしていたのは覚えています。
あと、ティルくんを連れて出張して、お船を買ったのも覚えてる。
でも、それくらいしかなかったような……?
私自身が社長職やら秘書職に就いたことがないので、イメージが貧困で、
「社長業としてはこれで十分」と言われたら全く反論できないのですが、
「パートナー」という表現に、
最低限、「対等」な意味合いを期待してしまう自分としては、
何だかちょっと、唐突な感じがしてしまったのです。
全校集会の時の、スレッタに対する「パートナー」発言も、
「結婚」削除騒動だのいろいろあった末に辿り着いた、
無難に収めるための建前だったのかなぁ、
と冷ややかに捉えているのだけれど、
とにかく本編中、2人の関係は依存や主従の印象が強すぎるよ。
今さら言葉で言い繕っても、
そこらへんはもう払拭できないよなぁ、と思っちゃって……。
否定&肯定
そういえば、少し前に、最終話でスレッタがプロスペラに発した「私はお母さんを肯定します」は、
プロローグでデリングが宣言した
「全てのガンダムを否定します」に呼応させているのでは、
というご意見をお見かけしました。
あー……、そう……だったのかな?
もしかしたらその考察は当たっていて、
制作サイドは実際そのつもりだったのかもしれないけれど、
それはそれで、物語の構成として、
不可解な捻れが生じてしまうように思います。
そもそも本編全体を振り返ると、
感情をぶつける相手がどうにもズレていたり、
台詞自体は正論だったりかっこよくても、
そのキャラの言動としては違和感があるなど、
「コミュニケーション不全」を感じてしまう場面が少なからずあったので、
今さらそんなことを気にしていたらキリがないのだけれど……。
でもさぁ、やっぱり、
ガンダムシリーズのTVアニメとして作られて、
「ガンダムを否定します」で始まった物語を、
否定したまま終えてしまうよりも、
呪いを解いて「ガンダムを肯定します」で締めくくった方が、
ずっとずーっと、美しいと思うんだよなぁ。
その宣言をするのは、ずっとガンダムに乗っていたスレッタでもいいし、
「株式会社ガンダム」を立ち上げたミオリネさんでもいいよ。
2人で一緒にそう言い切るなら、それこそ「祝福」に値するかもしれない。
もちろん、その過程をきちんと描くことは必須だけれど。
ミオリネさん個人の台詞としてしまうと、
ますますサマヤ一家の影が薄れて、
プロスペラの復讐譚という要素がよくわからなくなりそうだけれど、
少なくとも、今よりずっと、視聴後の満足感はあったと思う。
本編中で呪いを解くことができないなら、
株ガン設立を物語の最後に持ってきて、
「ガンダムを肯定します」の宣言をして、
「俺たちの戦いはこれからだ!」ENDにした方が、
よっぽど誠実だったんじゃないのかなぁ。
(あ、これ前にも言ったような気がする)
バズり目的?
……と、いまだにいろいろぐるぐる考えてしまうのですが、結局のところ、株ガン設立って、
ミオリネさんの見せ場を作りたかったのと、
例のPVなんかのバズり狙いが目的で、
エリクトの行方やエアリアルの謎など、
物語の核心へ進むための一歩でも何でもなかったんだろうなぁ。
そんなふうに思えてしまって、残念です。
せっかくティルくんがロゴを考えてくれたのになぁ、
今となっては、あれを見ても複雑な気持ちがしてしまうのよ。
本放送時は私もかなり楽観&期待していたので、
「最終的にはアス高の生徒みんなが株ガンとして団結するのかな」
「『ガンダムを禁止した大人世代vsその呪いを解いた子ども世代』
っていう展開になっていくのかな」
とわくわくしていたのだけれど、
ぜーんぜんそんなふうにはなりませんでしたね。
実質的に、株ガンも本編中では何もなし得なかったので、
本編終了後の今なお、これ関係のグッズが出たりしても、
微妙な気持ちになってしまうよ。
振り回された地球寮の子たちも、大変だったなぁ、って……。
素人の勝手な妄想だけれど、
制作サイドとしては、株ガンでバカ受けして、
本編終了後もロゴが入っただけのグッズなんかが、
それなりに安定した収入源になることを期待していたんじゃないかなぁ。
……いや、事実そうなっているのかもね、私が知らないだけで。
あっ、でも、グエスレの民としては、
株ガンネタで楽しませてもらっている部分もあったなぁ!
ほら、全校集会の朗読劇とか、特典のアクキーとか!
あ〜〜、そうだそうだ、そうだった!
よかった、株ガンにまつわる全体に、
残念無念な印象が染み付いてしまっていたけれど、
もう、割り切って、楽しかった記憶だけ反芻していくことにします。
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