自分がリアタイ直後に感じたあの衝撃が、
「期待をほぼ裏切られたこと」以上に「不完全燃焼の大洪水」に由来する、
ということがわかってきました。
そこに辿り着いただけでも、こうしてアウトプットすることには意義があったなぁ。
……と、総まとめのようなことを書いてしまいましたが、もうしばらく続きます。
今回は、影の主役ともいうべき
「エルノラ(プロスペラ)&エリクト(エリィ、=エアリアル?)」について。
……いや、「影の主役」はちょっと違うな、
スレッタが「成長させてもらえなかった主人公」だったのと同様に、
「悪役を全うさせてもらえなかった裏主人公」、って感じかなぁ。
プロローグを最初に見ているから、彼女にはどうしても肩入れしてしまうし、
「水星の魔女=エルノラ・サマヤの復讐譚」ともとらえながら
「見事、本懐を遂げられよ」という気持ちで応援していましたが、
そこらへんもいまいちぼんやりとしたまま終わってしまって、
もったいないし、もやもやしています。
クワイエット・ゼロ
最終回のプロスペラ周りに対する不満感って、結局、「クワイエット・ゼロ」が何なのかがよくわからないまま
消滅しちゃったことにもあると思うんだよね。
- ノートレットの草案では、そもそもどんなものだったのか?
- デリングの計画としては、具体的にどうするつもりだったのか?
- 実行のために、ミオリネが総裁になる必要はあったのか?
- スレッタが危険なガンダム(キャリバーン)に乗る必要はあったのか?
もしかしたら今後、小説版などで補足されるかもしれないけれど、
最終回後にふと気になったのは3つめ。
「総裁が目覚めなければクワイエット・ゼロは動かせない」ってことで
プロスペラはミオリネを新総裁になるよう仕向けたわけだけれど、
これ、もしかして最初から嘘だった?
だって、クインハーバーであんなことがあって、
その後、シャディクの逮捕で自動的にミオリネが新総裁になったものの、
ミオリネが落ち込んでいる間にクワゼロ勝手に発動しちゃってましたよね?
ただの時間稼ぎとか、地球行きに利用されただけ?
シーズン2は、スレッタもミオリネもグエルくんも
それぞれの個性や強みを全然生かしきれないまま、
特にヒロイン2人は内面がよくわからないまま終わっちゃった感があるんだけれど、
その発端はやっぱり、17話の八百長決闘にあるのでは、と思ってて。
スレッタをプロスペラ&エアリアルから引き離したい、
と焦ったミオリネがあの行動を取ったのは、まぁ、わかるっちゃわかるものの、
もしも、総裁選とか関係なく、自分と同じくスレッタの幸せを願う者として
グエルくんに素直に協力を求めていたらなぁ、などと夢想してしまいます。
かつては険悪な仲だった、元・花嫁&花婿で、
スレッタから「進めば2つ」の言葉をもらって一歩踏み出せるようになった2人が、
今度はスレッタを守るために手を取り合う、っていうのは
本来はものすごーく燃える展開だったはず。
実際の本編上の展開では、いろいろこじれて全員傷つく感じで、
最終的にはそれも乗り越えて最強のトリオになるのかと思いきや
モヤッと感を最大限膨らませたまま終了してしまったのが、ほんとうに残念です。
そして4つめ、「お母さん&エリクトと話をしたい」という目的で
キャリバーンに乗ることを決意したスレッタですが、
あんな健康状態になっちゃったラストを見ると、
ほんとうにその必要、あったのか? と疑問を持ってしまいます。
いや、オーバーライド対策っていうのはわかるんだけれども、
マニュアル操作(?)でチュチュもデータストーム突破できたわけだし、
そもそも、危険だとわかっている機体に乗せることを
はっきりと止めたのがニカ(&地球寮)とグエルくんだけで、
大人たちも平然としているのが、こう……、うーん……、……。
一連の騒動のあと、大人たちはどう「責任」を取ってくれたんじゃろうか……。
まぁ、世界観や設定が随時変えられていったような作品だからなぁ、
もう、あんまり突っ込まんとこ……。
プロスペラの罪と罰
彼女に対する率直な感想を言えば、「もっともっと徹底的に、悪役として、さらには、
愛ゆえに道を踏み外してしまった哀れな母親として、輝いてほしかった」、
です。
3年後のあのシーンで、車椅子におとなしく座ったままの
すっかり毒気を失い老け込んでしまった彼女の姿は、
ちょっと、いや、だいぶ、ショックだったなぁ。
たぶん、ナディムや博士や仲間のみんなに再会できて、
エリィのあの姿もあの時初めて見られた(?)ことで、
張り詰めていた糸が切れてしまったんだろうな、と思いますが、
あのまま、データストームの向こう側へ行かせてあげたかったな、
という気持ちにもなってしまいます。
ただ、これまで何度か書いてきたように、私は彼女に関しては
「スレッタに対して、愛はなかった(「復讐のための道具」扱い)」
ととらえているし、許されない面も多々あると思う。
精神的な支配とか、心理的虐待(エリィ最優先であること)とか、
水星時代とかは特に、あんなの、ネグレクトでしょ。
そもそも、スレッタの存在というか、
あの子が誕生した(作られた?)経緯こそが、罪の証でしょ。
娘のためにクワゼロを発動させようとしたことだって、
その過程で大勢を巻き込んで死傷者を出しているのは、やっぱり罪だよ。
愛ゆえだとしても、してはいけないことだよ。
でも、スレッタはそんなお母さんを肯定しちゃうのか〜……。
……と思っていたのですが、
「あの仲間たちの姿や会話は、データストームが見せたエルノラの願望」
「『肯定します』のスレッタも、願望が具現化されたもの」
という考察を拝見して、ああ、それならちょっと、納得だなぁ、と……。
まぁ、それはともかく、彼女はきちんと罪を償うべきだと思っています。
シャディクがクワゼロの罪も被ったことで、放免されているのか、
足が不自由だから何もできないと思われているのか、
それとも、あの騒動における英雄となったスレッタが
母と一緒に過ごすことを願い、特別に認められたのか、
理由はいろいろと考えられるけれど、見ている側としては腑に落ちなかったです。
それとも、あの片田舎に住まわせて、
愛していなかった方の娘と余生を過ごさせることこそが罰、なのかなぁ。
いや、さすがにこれは、穿った見方ですよねぇ……。
「水星の魔女」
この物語における「魔女」の定義が最後まで曖昧なまま終わってしまったのですが、
作品タイトルでもある「水星の魔女」って、
「エルノラ(プロスペラ)・エリクト・スレッタ」
のことを指している……、と考えてOK?
でも、第2シーズンEDの映像から考察されていたような
「魔女」化したスレッタ、とうとう登場しませんでしたよね。
私、最終回では、エリィもしくはプロスペラ、あるいはその両方が
あの連合の兵器(?)に殺されて、スレッタがバーサーカーになって
「魔女」らしく大暴れする展開を予想しておりました。
キャリバーンに取り込まれちゃったりとか、ねぇ?
見てみたかったんだけどなぁ。
グエルくんが、VSシャディク戦やVSラウダ戦で不殺戦法を見せているので、
魔女スレッタもそうやって止めたりするのかな、
ってところまでイメージトレーニングしていましたが、ぜーんぜん違いましたね。
それはともかく、リアタイ視聴時には、
スレッタが最後にあのキラキラ&シュワシュワを披露した時、
「えっ、何これ? プリキュア?? ていうか魔法少女??
スレッタ、もしかして魔女じゃなくて魔法少女??
この作品の真のタイトルは、『水星の魔法少女』だった……!?」
って、おめめぐるぐるさせてました。
消えた赤毛
そういえば、エルノラ時代はスレッタと同じようにきれいな赤毛だったのにプロスペラが焦茶っぽい髪色なの、何で?
名前を変えていたくらいだから、変装の一環で染めていた、とも考えられるけど、
あの3年後の車椅子のシーンでも暗い色のまま(&白髪)だったよね?
アド・ステラには今とは違う染髪技術があるのかもしれないけれど、
そもそも当初は復讐の本命と思われていたデリングに対して
どうやらとっくの昔に本名や素性を明かしていたっぽいし、
些細なことだけれど、気になっちゃうんだよなぁ。
一時期はあの髪色のせいで、
「もしかしてグエルくんの実母?」とも言われてましたよね。
ロン毛時代のグエルくんと、後ろ姿、やたらと似ていたし、
「もしかして、スレッタとは兄妹なの!?
まさかそんな、大映ドラマみたいな設定なの!?」
って、ちょっとドキドキしちゃったよねー。ねぇ?
エリクト
そもそも、「あのエリィはほんとうに『エリクト・サマヤ』なのか?」という点だけでも諸説出ているし、私も実は疑っているので、
彼女(?)について語るのは難しいのですが、
ここでは邪推せずに、彼女の言葉を信じてそう仮定しておきます。
あ、そういえば、第23話でデータストームが干渉されて
エリィが「何で邪魔するの!?」と憤った相手は、
エランさん(4号)、というか過去に亡くなった方々全員、
ということでいいのでしょうか?
クワゼロ本体にノートレットがいるとか、真エリィとか、真エアリアルとか、
これも諸説見かけたのですが、どうなんでしょうね?
とりあえず、「エリクト=エアリアル=『ゆりかごの星』の語り手」とすると、
「自由に動ける身体を手に入れる」という願いのためなら
たくさんの犠牲者を出してもかまわない、スレッタと戦うこともやむなし、
とするエリクトと、
復讐そのものは否定しないものの「スレッタを巻き込まないで」という
「ゆりかご」における印象にはだいぶ隔たりがあるように感じてしまいます。
まぁ、でも、たったの8歳かそこらでガンダムの中に閉じ込められて、
自分の代わりとして生まれた末の妹は学園生活も満喫してて、
ようやく願いが叶えられそうなら、あんなふうにもなるのかなぁ。
エリィ in ホッツさん
さて、物語の最後では、エリィはキーホルダーの姿に生まれ変わっていました。生まれ変わってというか、生体データが移されたらしいのですが、
私はこの顛末、うまく言葉にできないけれど、生理的に嫌悪しています。
見た瞬間にズガーンと衝撃が来るわけじゃないけれど、
じわじわと気持ち悪さが広がってくる感じ。
しかもそれが、なかなか消えない。
エリィ自身と母のエルノラが、「エリィが自由になれる世界」を求めたのが
そもそもの発端だったはずだけれど、
MSの中に閉じ込められた女の子が、今度はキーホルダーの中に入れられちゃうのって、
とてもじゃないけれど「よかったね♡」なんて素直に喜べないよ。
いや、ミオリネとエリィの会話はちょっとおもしろかったし、
エリィみたいにぽんぽん遠慮なく喋ってくれる相手の方が、
実際、ミオリネとの相性もいいんだと思う。
それに、このラストを見る前から、二次創作では、
例えばエランさん(4号)が処分寸前に意識をハロに移されて、
……みたいな作品をいくつか拝見して、楽しませて頂きました。
そして、今は、あの状態のエリィさんが登場する二次創作作品も
同じように楽しませて頂いています。
……でもやっぱり、うーん、どうなんでしょうねぇ、これ。
作品全体が急にファンシーになっちゃうというか、
いやいや、そもそもエリィがエアリアルになっちゃった時点で
オカルト寄りとか、そういうものなんだけれども……。
何だろうね、この感覚。「キモチワルイ」? 「おぞましい」?
それとも、これこそがエリィに対する罰だったりする?
この件については、あんまりこういう意見って見かけないので、
もしかしたら私が異端すぎるかもしれないのですが……。
……うーん、でもやっぱり、異端でも何でもいいわ。
人がどうでも、私はイヤです(きっぱり)。
というかスレッタ、祝福PVなどの印象から、
エアリアルとも最終的にはお別れするのだとばかり思っていたから、
ああいうかたちで共存(?)していくなんて、予想外すぎて「え?」って感じよ。
エリィちゃんもさぁ、キラキラのシュワシュワで消えちゃった方が
幸せだったかもしれないよ。
ご都合主義は嫌いじゃないけれど、どうせやるなら、
キーホルダー化するよりも、スレッタをデーターストームから守って
「姉からの愛と贖罪」を示して消えたってことにした方が、
視聴者的には納得がいったし、ある意味すっきりできた気がする。
スレッタの特殊能力?
そういえば、「エリィをエアリアルからホッツさんに移し替えたのはスレッタ」と移された本人が言っていましたが、そのことから、
「エリィがヒトとして死んだ時、生体データをエアリアルに移したのも
当時、赤ちゃんだったスレッタ」
と指摘する声を見かけました。
そういう……、そういうことなんですか?
やっぱりスレッタは魔法少女だった……?
そしてまた、それに付随して新たな疑問が1つ。
その説でいくと、つまり、
エリィが存命中にスレッタはすでに生まれていた、ってこと?
エリィが肉体的に死んでしまったあとに、
エルノラがスレッタを「鍵」として「作った」、のではなくて?
んんんんん?? なーんか、このへんも何だかよくわからないのよねぇ……。
そういえば、スレッタ以外の「カヴンの子」たちについても謎のままですよね。
あの子たちとスレッタとの違いは何だったんだろうか。
ゴドイ
ついでに、この方についても少し。いつもプロスペラの隣に控えていたこのおじさんのことを、
「この人が真のラスボスじゃないかなぁ、
土壇場でママ仮面を裏切ったりするんじゃ……」
などとずーっと警戒していましたが、そんなことはなかったですね。
だってあんな、クレヨンしんちゃん劇場版の悪のボスの下っ端みたいな
ヘンな髪型してるし、あやしいと思ってたんだけどな〜。