昨年末に録ったまま眠らせていた「誰も知らない」を鑑賞。
だいたいの内容は知っていたので、
寒い季節は見るのを避けていたのを
(だって、こういうのはせめてあったかい時期に見たいじゃない?)
ようやく封印を解いた感じです。
実際に起きたネグレクト(育児放棄)の事件をもとにした作品で、
全体的に淡々と子どもたちの生活が描かれています。
もしかして、途中で激しい暴行の描写が出て来たりするのかな、
と構えていたけれど、そういうものはありませんでした。
最後のあたりで、周囲の大人の誰かが警察に通報したり
どこかの機関から調査員が派遣されたりして、
彼らのこんな生活もようやく終わりを告げる……、のかな……?
と、むしろそんな展開を祈ってもいたのですが、
そのまま、すうっと、ふわりと、物語としては幕を閉じてしまって……。
でも、そのせいで、見終えた後もずっと彼らのことを考え続けてしまいます。
そして、これは自分のすぐそばでも起きている出来事なのかもしれない、
自分はただ知らないだけなのかもしない、
という気持ちでいます。
あっ、ちなみに、いちばん印象に残っているのは、
長女がお年玉袋の宛名書きから真実を悟る、あのシーンです。
他にも切ない場面はいろいろあるけれど、
あそこが特に、「ああ……!」って、こちらまで苦しくなりました。
私が普段好んで見るような、明るい、楽しい映画ではないけれど、
それでも、ちゃんと見ることができて、よかったです。