「風立ちぬ」

昨日に引き続き、ジブリ映画「風立ちぬ」の鑑賞メモです。
ネタバレはたぶんしていません。
というより、あちこちで紹介されているあらすじどおりの物語で
それ以外の出来事って、特にはなかった……よね？

今回、いちばんの関心事は
「庵野さん、ちゃんと声のお仕事できてるのかしら」
という不安と興味と期待だったのですが、
これについては全くの杞憂でした。個人的には。
声や演技ばかり気になって物語に入っていけない、とか、
そういうのがまるでなかったです。
最初の方こそ、「庵野さん……！」とどきどきしつつ見ていた、
というか、聞いていたけれども。

何ていうのかなぁ、印象としては、
トトロで糸井さんが声をあてたお父さんみたいな雰囲気。
キャラクターとしても、けっこう近いものがありますよね、
ちょっと浮世離れしていて、趣味の研究や開発に没頭しているところとか。
どちらも、あのしゃべり方や声のトーンはわりと好きです。
本職の声優さん以外がこういう声のお仕事をすると
台詞が聞き取り辛かったりしてちょっとイラッとすることがあるので
（私の耳や集中力の問題かもしれませんが）、
すっごいぼそぼそ声だったらいやだなぁ、と勝手に心配していましたが、
やー、ほっとしました。

予告か作品紹介か何かで見た「現実と虚構を織り交ぜて描く」という部分は、
もっとずっと、ぐわーっと大胆にやるのかなぁ、と思っていたけれど、
そこは思ったほどでもなかったなぁ。
私の場合、今敏監督の作品に慣れてしまっているので、
「パプリカ」ほどではないにしても「千年女優」くらいまではやっちゃうのかな、
などと考えていたのですが、もっとわかりやすく、上品に丁寧に
ここは夢、これは夢、と区切られている感じでした。

あとは、菜穂子が可愛い。加代ちゃんも可愛い。
黒川さんの奥さんも素敵。

そうそう、お母様もお子様も安心のジブリ映画ではありますが、
時々ほわんと、エロスのかほりが漂った………ように思います。
そんなに激しい描写なんてないのに
そっと席を外して2人きりにしてあげたくなるような、
ちょっとそわそわした気持ちになってしまったり。

全体的には、けっこう好きな作品です。
日本映画らしい雰囲気がとても強く出ている、と感じましたが
どうなんだろう、この表現。
私の言いたいことが少しでも伝わっていればいいなぁ。