お正月ごろに録っておいた「そして父になる」を鑑賞。
2013年公開の、是枝裕和監督の映画です。
だいたいのあらすじと結末を知っていたけれど、
ラストのあたりは登場人物みんなに感情移入して、少し泣いてしまいました。
血のつながりを重視する……というか、
それが正しいと思い込もうとしている主人公とか、
育てた子にも実の子にも愛情を注いで、
それゆえに葛藤する母親たちとか、
取り違えられた当人たちと、まだ幼い弟&妹とか……。
慶多くんは、父親(主人公)にとっては
「おれの子にしてはどうもイマイチ」(意訳)だったかもしれないけれど、
素直で優しい、いい子だよねぇ。
ピアノだって、ちゃんと続けているだけで十分偉いよ。
そして、実の子である琉晴くんは、
大人たちの判断で事が進められていく中で、
「何で?」と疑問を伝えたり、自力でもとの家に帰ったりもして、
なるほど、確かに賢さを感じるなぁ、と思いました。
(でも、黙って家を出て行くのは、保護者目線では生きた心地がしないよ!)
あと、この物語におけるそもそもの発端は、事故ではなく事件で、
第三者の故意が絡んでいたわけだけれど、
あの看護師さんも、当時、
親子関係、家族関係でよっぽど苦しんでいたんだろうなぁ。
八つ当たりにしては他人を巻き込みすぎではあるものの、
その苦しみを分かち合う相手がいなかったのかな、
彼女の旦那さんは支えてあげられなかったのかな、って……。
そして、彼女からの個人的な「誠意」を返しに行った時、
悩みの元凶でもあった「再婚相手の子」が「母」を守ろうと出てきたのが、
主人公には後からじわじわと効いてきたのだろうなぁ。
それはそれとして、作中では、彼女の罪は時効が成立していたようですが、
こんな、他人の人生をめちゃくちゃにしておいて、時効なんてある????
……っていうのも、思ってしまいました。
共感はできないまでも同情はするし、
だからこそ、罰は受けるべきだと考えてしまうのですが……。
本来の息子として迎えた、活発で聡い琉晴くんが、
新しい家族や環境にもなじんでくれた描写が続いた後、
流れ星(?)に「早く帰りたい」と願った時、
「えっ」と「ああ……」と「そりゃそうだよね……」が
混ざった気持ちになりました。
その直後に「ごめんなさい」と言ったこと、言わせてしまったことが、
主人公の最終的な決断にもつながったんだろうなぁ。
「万人におすすめできる映画」とは少し違うけれど、
私は見てよかったです。
