あの事件が起きた頃、私は学生でした。
ちょうど春休みに入る直前か直後あたりに起きて、
新聞やニュースなどによる連日の報道で、
子どもながらに大変なことが起きたのだと感じていました。
新年度が始まり、生物の最初の授業の時、
先生がこの事件について少し触れました。
「サリンってね、ほんの1滴でも肌についたら確実に死ぬんです」
って、ちょっと強張ったような、でも、怒りを込めたような、
複雑な表情で淡々と語っている姿を、今でも覚えています。
薬物の知識がある人なら、
その恐ろしさがより身に迫って感じられたんだろうなぁ。
その先生はどちらかというと小柄で童顔で、
普段はにこやかでふにゃっとした雰囲気だったから、
あの日の、いつもとは違う様子が、強く印象に残っています。
その後、少なくとも、大学や職業訓練校に進学・入校したりする間までは、
あの団体のことを「おもしろいネタ」扱いする風潮が、
私の身近にも続いていました。
その研究施設があったという某村へ、友人と連れ立って行ったことを、
得意気に報告してきた子もいたっけなぁ。
あと、詳細はわからないけれど、
「ちょっと変な団体だか宗教だかにハマっちゃったらしい」
と噂される知人も、当時、周囲にちらほらいました。
同じ生徒仲間からも、講師陣からも。
心理学を学んだり、転職で悩んだりした経験から、
弱い時に何かにすがってしまう気持ちはよくわかるし、
そういうの、興味もあります。
信仰も宗教も、それで救われる人がいるならいいことだし、
私も自覚が薄いだけで、
そういうものにたくさん助けられたり縛られたりしているんだろうなぁ。
でも、自分や他人を傷つけることを厭わないものは、
ちょっと変だなぁ、と思う。
あんな事件、もう2度と起きませんように。
というか、起こす社会にしてはいけないよ。
自分にできることなんて微々たるものですが、そう強く感じています。
