大河ドラマの「光る君へ」が、昨日で最終回でした。
1年間ずーっと、おもしろかった〜!
主人公のまひろ(紫式部)をはじめとして、
この時代の女性作家が次々と登場して、それぞれの個性の違いを見せてくれたのが、
ものすごーく楽しかったです。
書き手(詠み手)の性格とか、創作されたものとか、
創作に対する姿勢とか、そこに込められた想い、とか。
キラキラした思い出を残したい、ききょうさん(清少納言)。
いちいちエロい、でもどこかキュートなあかねさん(和泉式部)。
人の心の昏い部分も書きたい、まひろ。
書くことの意義を教えてくれたのは、
寧子(やすこ)様(藤原道綱母)、だったかな。
そして、歴史書の作成に燃える、衛門先生。
「栄花物語」の執筆にあたっての、
クライアントである倫子様と赤染衛門の会話も、
ちょっと笑えておもしろかったですよね。
「大化の改新から書きたい!」と熱っぽく語る衛門先生に、
「もう、衛門の好きにして良いわ」と返す倫子様。ふふっ。
「思ってたのと違う仕上がりになりそうだけれど、まぁ、いいか……」
って感じの、この温度差とか表情が、どちらもとてもよかったです。
そして、最後の最後に、菅原孝標女が出てきたのも、うまいよね。
歴史にも国文学にも大して知識のない私ですが、
彼女が「オタクの元祖」と例えられているのはしばしば目にするので、
まひろを作者と知らずに「源氏物語」評を披露する姿は、
微笑ましいやらハラハラするやら、でした。
このドラマのテーマの1つは「物語」とか「文学」だと思うのですが、
最終回の、道長を見舞いながら少しずつ「おはなし」を紡いでいくまひろの姿に、
「はっ、シェヘラザード? 千夜一夜?」とそわそわしていたら、
ネット上ではやっぱり同じように感じた方がたくさんいらっしゃって、
ちょっと楽しかったですね。
まぁ、もちろん制作側も意図したシーンだろうけれど。
でも、こんなところまで徹底していて、すごいなぁ、かっこいいなぁ。
あとは……、あ、私、実は乙丸がすごく好きです。
一応は脇役なのだけれど、まひろのことを、たぶん誰よりも理解している人だと思う。
派手な見せ場はほとんどなくても、ちょっとした表情や仕草で、
視聴者の気持ちを代弁してくれているような存在でした。
失意のまま太宰府に留まろうとするまひろに、
「帰りたい! 帰りたーい!!」と、たぶん初めて&唯一駄々をこねて逆らったのは、
もちろん彼自身の本心でもあるのだろうけれど、
「お方様をこのままにしてはダメだ」「何としても連れて帰らなければ」っていう、
長年仕えてきた者の忠誠心とか、愛情とか、責任感とか、ホームシックとか、
そういうのが全部込められていて、
こちらもぐちゃぐちゃな気持ちになりながら、もらい泣きしてしまいました。
そんでもって、ちょっと笑ってしまいました。ふふっ。
ラストシーンは、何というか、スパーン!と切られたような感じで、
「あっ……、こういう締め方なんだ……」とちょっと驚いたけれど、
そうだねぇ、ここから武者の時代が始まるんだねぇ。
やー、でも、派手な合戦とかがなくても、
ハラハラドキドキ、毎週見せ場も多い大河ドラマでした。
戦乱の世の物語も興味深いけれど、
こういう路線の大河も、これからたくさん作られていくといいな。
そんなわけで、1年間を楽しく過ごすことができました。
今作は、もう何年も大河はご無沙汰だった姉(超文系)も、
久しぶりに全話を完走したようで、完結を淋しがっていましたよ。
キャストさん&スタッフさん、素敵な作品をありがとうございました〜!