先日録っておいた「山の郵便配達」を鑑賞。
1999年の作品で、劇場公開時(日本では2001年)に観に行った記憶があります。
ちなみに、物語の舞台は1980年代初め、とのこと。
どちらかというと地味なお話ですが、私は好き。
脚を痛めた父親に代わって、息子が配達業務を継ぐことになり、
その初出勤&引き継ぎのあいさつ回りとしての
3日間ほどの山道の旅路を描いた映画です。
山が舞台なので、景色が美しいのですよねぇ。
そして、父親と息子だけではなく、長らく父の相棒を務めた愛犬「次男坊」も一緒で、
このわんこのお芝居がまた、とてもいいのです。
あの山道にも慣れているんだな、という説得力があって、素晴らしい。
たぶん、これまで父親は仕事の話を家ではあんまりしなかったと思うし、
息子の方も、ものすごくやりたかったというわけではなく、
父さんはもう続けられないから、くらいの消極的な理由で継いだんじゃないかなぁ。
それでも、届けられる荷物や手紙を心待ちにしている人々や、
父親があちこちの村で慕われていることを知って、
ひそかに見直したり、仕事に誇りを持つようになっていく様子が伝わるので、
見終えた後に心がほわっとしました。
あと、たぶん、私自身が手紙を書いたりもらったりするのが好きだから、
というのも作品の印象をだいぶ左右していると思います。
電話もメールも便利だけれど、手紙が届くのは、やっぱりうれしいもん。