いつからHDDの肥やしになっていたかわからないくらい長いこと寝かせていた
「マダム・イン・ニューヨーク」を鑑賞。
素敵なお話でした。見てよかった〜!
インド人の、料理の得意な主婦・シャシが、
姪っ子の結婚準備のために、1ヶ月ほどアメリカの姉の家で生活することになり、
そこで誰にも内緒で英会話教室に通う、というのが大まかなあらすじです。
家族からは英語が苦手なことをからかわれたり、
手作りのお菓子を周りに振る舞ったりすることも渋い顔をされたり、
身内だからこそ無自覚に相手を傷つけたりすること、あるよね、
といった描写が続いて、見ているこちらもちょっとしょんぼり……。
アメリカに着いてからも、英語が不自由で失敗して
(といっても、あれは店員さんもちょっとひどいよねぇ)、
落ち込んだりもしていて、私もしょんぼり……。
でも、このマダムはとても強くて、前向きな人でした。
私だったら「もう英語やだ! アメリカ怖い! お外、行きたくない!」
って滞在先から一歩も出ずに過ごしていたと思うけれど、
彼女はそこで一念発起して、英会話を学ぼうと決意するのでした。
バスの車体に書かれていた電話番号をメモも取らずに覚えたり、
たどたどしい英語ながらも問い合わせの電話をしたり、
1人で地下鉄に乗って移動したりして、
本来はとても賢くて、行動力もある人だったんだよね。
教室では、さまざまな理由で英語を身につけようとする仲間たちと出会うけれど、
その中でも彼女は着実に力を伸ばしていきます。
ラスト、姪っ子の結婚式での英語のスピーチは、
彼女の経験から生まれた、心のこもったもので、素晴らしかったです。
何だか、「言語はあくまでツールの1つ」というのを
改めて思い知らされたような感じ。
母国語以外も話せるのって、それ自体、すごいことだけれど、
やっぱり肝心の中身とか、伝えたいことがあってこそ活きるんだなぁ、って。
あ! 素晴らしいといえば、シャシのサリーがどれも素敵で、
シーンごとに変わる衣装も、この作品の楽しみの1つでした。
そもそも、この主演女優さんがとてもおキレイでチャーミングで!
……と思ってさっきちょっと調べてみたら、すでに故人と知ってショック……。
そうそう、教室のお仲間のフランス人のシェフさんが、
出会った当初からシャシに恋をしていましたが、
これ絶対叶わないだろうな、と思いつつも少し応援していました。
だって、彼の方が大事にしてくれそうだったもん。
でも、彼女が言っていたとおり、
彼に尊重されることで自信を取り戻したのは事実だから、
この出会いはやっぱり、意味があったと思うよ。
それから、「シャシ」って「舎脂」のことだよね、インド神話の。
私が初めて知ったのは「聖伝」でしたが。CLAMPの。
それにしても、シャシの作った「ラドゥ」(インドのお菓子?)、
おいしそうだったなぁ。
以前買った、「Ganesha's Sweet Tooth」という洋書の絵本にも
出てきたけれど、いつか食べてみたい夢の食べものの1つです。
(購入時のレビューはこちら)