NHKで放映されていた「漁港の肉子ちゃん」を鑑賞。
劇場公開時は「明石家さんまプロデュース」というのと
タイトルにある肉子ちゃん役は大竹しのぶということしか知らず、
また、さほど興味も引かれなかったのでスルーしていましたが、
けっこうおもしろかったです。
見る前は、もしかして押し付けがましい人間讃歌かな、
とちょっと身構えていたのですが、そんなこともなかったし。
主人公は肉子ちゃんではなくて、その娘のキクリンで、
彼女の視点で物語は進んでいきます。
この子の声がすごくよくて、ちょっとクールで繊細そうで、
でもまっすぐな感じで、誰かなぁと思っていたらCocomiちゃんでした。
CocomiってあのCocomiちゃん!?
こないだSONGSで工藤静香のバックでフルート吹いてたあの子かー!!
えー、そうなんだ!
素敵な声なので、これからも声優業とか吹き替えとかいっぱいやってほしい〜!
肉子ちゃんとキクリンは、血は繋がっていないんじゃないかな、
というのは予想していたけれど
(だって、キャラデザがもう、全然違うし)
(ベリーショートが似合うのは美少女の証)、
そういう事情があったのか。
てっきり、実の母は故人だと思っていたから、
本人的には悩んだ末かもしれないけれど
他人(=肉子ちゃん)に押し付けて失踪するのはどうかと思うし、
それを受け入れて育てている肉子ちゃんは
人が良すぎてこっちが心配になるくらいです。
肉子ちゃんは「受容の人」なんだなぁ。
何があっても、何をされても、受け入れてしまう。
心の狭い私は、もし身近にそういう生き方をしている人がいたら
苛立ちをその人にぶつけてしまいそうです。
何でもっと、ちゃんと怒んないの!? って。
キクリンも、肉子ちゃんのことを冷静に観察して
ダメなところや嫌いなところははっきりと指摘しつつ、
でも「大好き」って思っていて、ちゃんとそう伝えられて、
キクリンいい子だな、肉子ちゃん子育て大成功だな、と思いました。
そうそう、キクリンは小5ということで、
学校における女子同士のトラブルなんかの描写もあるのですが、
身に覚えがありすぎて、ちょっとしんどかったです。
女子ってどうして派閥を作りたがるんでしょうね……。
ほっといてほしいよね……。
あっ、それから、これ、風景とか背景とか、
色遣いがとてもきれいで、鮮やかだけれど目にうるさくない絶妙なバランスで、
見るビタミンという感じでした。
肉子ちゃんたちの船のおうちも、あの狭さとカラフルさがすごく好き。
そして、フレンチトーストがとても食べたくなりました。
めちゃくちゃおいしそうだったもん、あれ。
運動会のお弁当とかも、あの輪に加わりたいくらいでした。じゅるり。
そんなわけで、意外な掘り出し物、という感じの良作でした。
……あっ、こんな言い方は失礼かな。
でも、楽しかったです。