「プラネテス」

 2022/07/10 Sun

エンタメ

テレビ 「プラネテス」

いつも夢中になって視聴していた「プラネテス」が、ついに終わってしまった……。
でも、素晴らしい最終回でした。
前回ラスト(ハチ&タナベの久しぶりの再会)では
自分でもびっくりするくらい涙がだーだー出ちゃったけれど、
この最終回はほんとうに温かくて、物語として美しかったですねぇ。

このアニメ、本放送は2003年開始だったそうですが、
今年の年明けに再放送が始まる直前まで、
原作を含めてその存在を全く知りませんでした。
それが、初回放送のそれこそ10分くらい前に、
ネットで偶然「名作だから見てね」「おすすめ」といった声を見かけて、
とりあえず録っとくか、くらいの軽い気持ちで予約をしたのが始まりでした。

序盤は「明るい話の時のパトレイバー」みたいな印象で、
少し未来の、宇宙が舞台だけれど、
サラリーマンというか、「会社や組織で働く人間」のお話でもあるので、
何となく共感できる部分も多かったし、気楽に見られました。

でも、途中途中で、それだけではない、心の奥底に降り積もっていくような
派手ではないけれど見応えのあるエピソードも差し挟まれて、増えていって、
後半からはもう、すごかったですね……。
みんながギスギスしていっちゃうのは辛かったし苦しかったけれど、
目が離せなくて、どきどきしながらその行く末を見守っていました。

実は、視聴を始めてすぐくらいに
ハチとタナベがくっつくとか、赤ちゃんもできるとか、
空間喪失症とか月面で遭難とかいう情報(つまりはネタバレ)を
小耳に挟んでいたのですが、
そのへんを予期しながらでも十分ハラハラしたし、おもしろかったです。

いろいろあったけれど、しりとりプロポーズは、もう、
キャーッ! って感じですよ。キャーッ!
その後に続くEDも、これまで登場した人々の暮らしが描写されていて、
すごく丁寧で気持ちのいいラストだよねぇ。

あっ、そうそう、ハキムはあの後、逃げ続けていたんだね。
でも、「国」という知識はあってもその概念を持たない
月面育ちのノノちゃん(可愛い!)との接触で、
踏みとどまってくれた……のかな?
何かが彼の中で変わったのではないかと思うけれど、
そう簡単には思想までは変えられないかな……。

ところでこのアニメ、エピソードの順序やキャラクターの設定など
原作コミックスとの相違点がとても多いと聞いて、びっくり。
メインキャラの中でアニメ版だけのオリキャラが山ほどいるのに
少なくとも、アニメ版しか知らない現時点の私の目には
それぞれのキャラや積み上げてきたエピソードがきれいに完結していて、すごい!
でも、そうか、クレアさんもチェンシンもリュシーもあのボンボンも
アニメだけの登場なのかー。そうかぁ……。

あっ、キャラクターではフィー姐さんが大好きです。かっこいい!
私、喫煙者に対してはうっすらとマイナスな偏見を持ってしまっているのですが
(だって、今まで出会った喫煙者さんたちのイメージがさぁ……)、
フィーさんには、もう、好きなだけタバコを楽しんで頂きたい。
フィーさん大暴れなあの回、もう、大笑いしちゃいました。ぶははっ。

それほど期待しないまま見始めたはずなのに、
気付けば日曜の番組の中でいちばん続きの気になる作品になっていました。
キャストさんスタッフさん、豊かな半年間をありがとうございました〜!

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桜衣淑乃(SAKURAI Yoshino)
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