リストラ

会社でいつもお世話になっていた年配の校正係の方が
突然、解雇されてしまいました。
お年のこともあるし、すでに正社員ではないらしいこともわかっていたので
いつかお別れの日が来るだろうことは覚悟していましたが、
定時まで2時間を切った夕方に
「今日で最後ということにしてほしい」と辞令が下ったようです。

あ、いや、「突然」というのは違うんだった、
社長はもうずっと前から切りたがっていたらしい。
それを常務が食い止めていたけれど、
「もう、どうしようもなくなってしまって……」と聞きました。

不況なのはわかるし、うちの会社が大変なのもわかってる。
制作は明らかに人手が足りないのに補充をしてもらえず
毎日、綱渡りをするような気持ちで何とかぎりぎり回している状態です。
たぶん、その校正係のおじいちゃんにも
社長の意向は前々から伝えられていたんだろうと思う。

だけどさぁ、それにしたってあんまりじゃない？
普通、解雇するなら、引き継ぎの期間を設けてもらえるものではないのか。
せめて、今日の朝イチとか、午後イチとか。
わずかな時間で中途半端な仕事を慌ただしく片付けて
今後の仕事の流れを、ごく簡単にだけれど確認して
荷物の整理をして「お世話になりました」と去って行ったその方が
あまりにも可哀想すぎる。

それすらできないなら、せめて、社長自身が労いの言葉をかける、とかさぁ。
こんな零細企業なのに、社長室に呼んで直接伝える、とか、
そういうことすらしないまま、なんて。

社員を、人材を、財産とは思わない会社なんだな。
まぁ、とっくに知っていたけれど、そんなことくらいは。
年末の過密スケジュールを乗り越えて
ランナーズハイ的に「よし、今年も何とかがんばるぞー！」と
気合いを込めつつ新年1週目を真面目に働いていたのに、
いきなり出鼻をくじかれた気分です。
2011年も愛社精神が全く育たないまま過ごしてしまいそうな予感。
ていうか、育つ前に会社自体がなくなりそうですよね！　アハハ！