父の入院・11(診断名:ウェルニッケ脳症)

 2020/11/05 Thu

父の入院

入院 血液の精密検査の結果がようやく出て、父の病名が判明しました。
「ウェルニッケ脳症」です。

ざっくり説明すると、
「ビタミンB1の不足によって起きる、脳の障害」とのことです。
ビタミンB1というのは、アルコール(糖分)の分解のために消費されるそうで、
アルコール依存の人が欠乏しがちなのだとか。

父は依存症ではないけれど、
うーん、確かに、「毎日、日本酒換算で3合程度」というのは
年齢のわりにやっぱり多い方だよね……。
でも、じゃあ、父に付き合って同じくらい飲んでいる母も
発症する可能性が!?
……と思ったけれど
(そして、もちろんその可能性はゼロではないけれど)、
「消化器官の切除手術をした人」もかかりやすい、という記述を見つけました。
父は、15年ほど前に、胃を3/4だったか、ガンで切除しているんだよね。
そのために、ビタミンなどの吸収が悪くなっちゃっていた、らしい。

あと、症状の1つとして「傾眠」というのがあって、
母によると、夏の終わり頃に父はやたらと寝るようになっていた、って。
昼間に寝てばっかりなのに夜もいつもどおり寝ていて、
不思議ではあるけれど、まぁ、疲れたのかなぁ、
季節の変わり目だしなぁ、と思っていたんだって。

救急搬送される1週間くらい前から
だんだんと食欲が落ちて、お酒も控えるようになったとかで、
振り返ってみれば予兆はあったけれど、
でも、これまでが元気すぎただけで、
「やっと人並みになったね」とお互いに笑ってたりしたんだって。

今、もし私が実家で両親と暮らしていたとしても、
たぶんきっと、そういう変化を「異変」とは捉えられずにいただろうなぁ。
本人も、病院が大嫌いだから、
もしかしたら他に自覚症状があっても、言っていなかっただけかもしれない。
母によると、不調は全て「眠い」としか表現していなかったらしくて、
だったら休ませる以外に思い付かないよね。

それはともかく、さっそく、ビタミンB1(チアミン)の投与が始まったそうです。
それから、歩行器を使ってのリハビリもしている、って。
寝たきり状態から、少し進歩してる! すごい!
……でも、しばらく身体を動かしていなかったから、筋力が低下しちゃって、
長時間のリハビリはできない、って。
うん、そうだよね、いきなりは無理だよね。
でも、ちょっとでも動けるようになったのなら、うれしいな。

あ、それから、炭酸水の摂取が解禁されたそうなので、
母が、父のお気に入りの炭酸水を差し入れに持って行くそうです。
(お菓子などの食べものの差し入れは禁止のようだけれど、
 ペットボトル飲料はOKだそうで、
 これまではお茶を毎日2本届けていたようです)

ふ〜〜〜〜……。
いやぁ、そうかぁ、ビタミンB1の欠乏かぁ……。
あっ、母とあれだけ大騒ぎしていろいろ調べたチーズは
結局濡れ衣だったみたいです。
「父の入院・5(細菌? ウイルス?)」参照)
血中に、菌やウイルスは検出されなかった、って。

あと、この「ウェルニッケ」、学生時代にちらっと習った記憶があります。
アルコール依存だったか認知症だったかの関連で。
この響き、耳に残ってるし、
久しぶりに「精神医学」の教科書を見てみたら
ざっくりとだけれど記述がありました。

今のところ、父に関しては運動障害の問題だけが確認されているけれど、
いろいろググると、進行した症例として、健忘とか見当識障害とかも紹介されていて、
そのあたりも、ちょっと心配なんだよね。
認知症のある入院患者さんが、
コロナの影響で長期間、家族との面会ができないでいると、
症状が進行してしまうケースが少なくない、って聞いたのだけれど、
そりゃあそうだよね、無理もないだろうね……。
お父さん、大丈夫かなぁ……。

……まぁ、でも、今のところ先生からそういう話は出ていないし、
少なくとも重篤な症状は確認されていない、はず、だと思う。
あっ、でもそういえば、ちょっと耳が遠くなっているのを
指摘されたそうです。
ウェルニッケ脳症の症例の1つなのか(実際、稀にそういう例があるらしい)、
単に年を取ったせいだからなのか、
よくはわからないけれど。

いやー、でも、原因不明のままに終わらなくてよかった。
ちゃんと特定してもらえてよかった。
あとは、父自身にリハビリをがんばってもらって、
何らかの後遺症が出たら、家族でサポートしていこうと思います。
あとはあれだ、淋しがってめそめそしていたりしないように、
これからも毎日、絵ハガキを書こう。そうしよう。

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桜衣淑乃(SAKURAI Yoshino)
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