「夏目友人帳(12)」を読みました。
今回収録されているのは、短編の「代答」と「妖しきものの名」、
そしてちょっと長めの「硝子のむこう」の3つ。
どれもよかったけれど、お気に入りを選ぶとしたら「妖しきものの名」かなぁ。
レイコさんのことが、これを含めたたくさんのエピソードで
その内面の深いところまで少しずつ浮き彫りになってきて、
その度に、こう、じんわりと胸に来るものがあります。
妖怪たちにも人間たちにも知られていなかった(たぶん)
彼女の優しさや淋しさに、切なくもなるけれど、
夏目がこんなふうに、その思いを辿ってくれることで
彼女自身も物語そのものも、救われる部分が大きいよね。
あと、田沼はほんとうにいい子だなぁと思いました。
名取さんのあの台詞にもじーんときました。